In the Ofton

足下のねこはぬるぬるしている

東京大学大学院教育学研究科(修士課程)受験記

※誰か(特にえらい人)から文句が出たら消します。

 

追記(2019/3/27)

教育学研究科のHPを見たら2020年度の進学希望者向け説明会の日程が出てました。

http://www.p.u-tokyo.ac.jp/entrance/graduate

 

■1.はじめに

・4月から東京大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻比較教育社会学コース(長い)修士課程に進学します。ただ進学するだけなので,何か業績を挙げた身分でもないですが,記録として残しておきます。偉そうに見えるのは個人の性格です。

・あくまで個人の受験記なのであまり真に受け過ぎないでください。

 

 

■2.本稿の目的

・大学院の入試のHow toは身近に先輩がいないと獲得できないことが多いから。特に大学院に進学する人が少ない学部・研究室出身だと大変だよね。

・複数の人に入試について聞かれるので一回一回答えるのが面倒になってきた。

 

■3.筆者のバックグラウンド

・都内私大の学際寄り文系学部出身。理論社会学ゼミ*1。学部時代はびっくりするほど勉強しませんでした。

・一度会社員になったが,真っ当な人生を歩めない性質だと再認識させられたので*2院試を受けました*3。受験時はまだ会社員*4

 ・受験したのは東大の教育学研究科だけです。他に東大の人文社会系研究科(2外まで手が回らなかった)や一橋の社会学研究科なども考えましたが,落ちても会社員の身分であることには変わりないし,有給が無駄に溶けるので1つに絞りました。

 

■4.スケジュール

2018年度分を含んだ過去問*5がGW前くらいに発売になったので,注文しました。
 
5月:
①過去問を確認する。
②教科書を複数回通読し,過去問と突合する。

これをやると自分の知識のレベルと,教科書に載っている知識のレベルと,院試で必要とされる知識のレベルの差分が分かると思います。私の場合は教科書に載っている知識について分野ごとにムラがあることが分かったので*6,まずすべての知識を教科書レベルまで上げることを目標としました。

 

③教科書レベルで欠けている知識を補充する。
知識にムラがあることを認識したので,その分野に特化した教科書を読みました。
 
 
6月:
④ひたすら知識を詰め込む(~9月)

一応教科書を何周かしたので,もう少し専門科目らしい勉強に入りました。入試の過去問を見れば分かりますが,試験問題にはコースに所属する教員の専門が色濃く出ています。教育社会学・高等教育論・比較教育のなかから2分野やるくらいの気持ちでいると,対策の目途が立ちやすいと思います。

 

⑤過去問の論述対策を始める(~9月)
ちょうど受験に向けた自主勉強会*7にアクセスする機会を得たので,勉強会をマイルストーンにして過去問やってました。
 
⑥大学院入試説明会出席&先輩訪問*8&研究室訪問をする
やらなきゃいけないわけではないけど,やっといた方がいいと思います*9*10
 
⑦研究計画書を書いていろんな人に見てもらう
学部生のときのゼミの指導教員を死んでも頼りたくなかった(向こうも頼られたくないと思っているはず)ので,⑥でお話を伺った先輩や,他大学の社会学研究科の修士課程の方などにお願いして見てもらいました。できれば専門が近い教員に読んでもらった上で,口頭試問に向けた対策もしておくとよいと思います。
 
⑧出願
単純に受験料高いな~と思いました。でもあの受験料を払えばほぼ無条件で学界のトップランナーに答案読んでもらえるわけですよ,最高じゃないですか???「推しに貢ぐ」ってこういうことだな???(ここまでオタク特有の早口)つまり安い買い物です。
 
7~9月:
基本的に6月に同じ*11
 
 

■5.受験本番について

いずれも午前中には終わります。

①1日目(筆記試験:英語)

試験会場で受験番号の総数を確認して倍率の高さにビビりました。問題自体は例年と同じスタイル。想定通り時間が余りました。

 

②2日目(筆記試験:専門科目)

試験の形式に変更はあったものの,内容としては例年通り。

記述する量が多いので(知識を試したいのか,利き手の耐久試験をしたいのかよく分からない),答案を書く練習はしておいたほうがいいと思います。時間内に最後まで書ききるの大変。一度頭の中で論を組み立てた後はひたすら書くことになるのですが,途中で「あれ?この論の方向性イケてないな?」となると手が止まって死にます*12

 

③3日目(口頭試問)

先生方勢ぞろいです。私は入室してから頭の中で人件費の計算してました。 東大の教員に研究計画書を(建設的な意味で)フルボッコにしてもらえる最高の機会です。受験料の元が取れるぞ。

研究計画書の出来はもちろん,今まで勉強してきた内容や,社会科学的な学問に対する姿勢も見られているんじゃないかなと思います。

 

■6.試験に向けて使用した書籍などについて

院試なので「一冊で全部わかる!」みたいな本はないと思います*13。以下院試向けというより個人的に好きな本(かつ学部時代~院試までに読んだもの)の主なリストです(なので特定の分野に偏っています)。

あと教科書の後は個別のテーマのレビュー論文を先に読んでから書籍に当たるほうがよいと思います。

 

①概論
教育社会学の教科書は複数存在しますが,個人的には 
よくわかる教育社会学 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)

よくわかる教育社会学 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)

 
 
が好きでした。他にも複数教科書はあるのでそこは好き好きで。
(東大の先生の意識に近いところだと↓とかでしょうか。網羅性が少し落ちます)
教育の社会学 新版- 〈常識〉の問い方,見直し方 (有斐閣アルマ)

教育の社会学 新版- 〈常識〉の問い方,見直し方 (有斐閣アルマ)

 

 

あと2017年に日本教社会学会70周年記念の『教育社会学のフロンティア』というリーディングス的な本が出ました。教科書を何周かしたあとに読むと理解が深まると思います。個人的な趣味としては1巻の方が好きです。 
学問としての展開と課題 (教育社会学のフロンティア 1)

学問としての展開と課題 (教育社会学のフロンティア 1)

 

  

変容する社会と教育のゆくえ (教育社会学のフロンティア 2)

変容する社会と教育のゆくえ (教育社会学のフロンティア 2)

 

  

教育社会学事典 も網羅できるんですが,いかんせん事典なので教科書的な使い方は難しいと思います*14……。
 
高等教育論の概論については以下の2冊。
 ②各論
(1)個別のトピック(教科書・各論のレビューの後に読むもの)

★は新書・文庫なので手に入れやすく読みやすいです。「入試の問題を解く」という点に限って対策するのであれば新書・文庫で十分な気もする*15

 

 

(2)社会調査法まわり
 
(3)その他
『教育社会学研究』『社会学評論』あたりに載っているレビュー&自分がやりたいと思っている分野の最近の論文くらいは読んでおくとよいと思います。
 
③英語
センター試験でそれなりに得点できるレベルであれば対策は不要*16だと思います。一応朝晩の通勤電車で英単語ターゲット1900をやってましたが,トランキライザー的なものですね。
8月くらいになると1900も飽きていたのでTOEFLの対策やってました。

『院単』はよく名前を聞きますがそこまでやる必要なさそう。

院単―大学院入試のための必須英単語1800

 

 

7.おわりに

書くの飽きました()。受験勉強は就活と同じくらい大変で同じくらい楽しかったので受験する方は楽しんでほしい。

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合格発表はこんな感じです。

 

 

 

 

*1:指導教員は「教育社会学は犬がやる学問」と言う人だった。

*2:私の名前を知っている人は笑うと思う。名付けた親に責任はありません。

*3:こうやって人としての道を踏み外している間に周囲は結婚し始め,祖母に「だー,(私)ちゃんまだ結婚しないのー?」って月1で催促されるようになったのであった。

*4:人生どうすんの?って感じですがこっちが知りたいですね……。

*5:ちなみに過去問をメルカリで売り飛ばすと半値くらいにはなります。

*6:文系の大学院に行くようなやつは教科書レベルの問題なんて解けて当たり前だろ,というご意見に関しては「持ち帰って検討させていただきたく!拝承!」って感じです。私に関しては自分がやりたいと考えている分野を外れるとやっぱりキツかったです。

*7:みんなで過去問解いてきてお互いの答案読んで検討する会。

*8:先輩訪問に関しては,訪問先は人伝てに探すしかないと思います。入試説明会にも学生が駆り出されているはずなので,そのタイミングで質問するとよいのではないでしょうか。

*9:モチベーション的な観点です。有利不利の話は分からないです。

*10:2018年の入試説明会は質疑応答がキレッキレだったので,エンタテインメントとして面白かったです。

*11:特筆するとすれば7~10月が会社員的に大炎上シーズンだった。夏はあつい(ダブルミーニング)。過労死ラインの上で反復横跳びしてた。

*12:高等教育論の問題でやらかした。

*13:正直そんなものがあったとして受かってもそのあとがしんどそう

*14:あと初版は特定の分野において誤植が散見される。

*15:あんまり肯定すべきではないと思うけど。

*16:あくまで個人の感想です。